かくいう私、以前の記事でも書いている通り、滋賀大に入る前は一度別の大学を辞めており、その後工場での部材投入や目視検査といった派遣や、ホテルの住み込みバイト、一般企業での正社員を経て滋賀大に編入し、現在はまた会社員として働いております。
そのため、いろいろなフィールドにおいて仕事や人を見てきて、社会経験はそれなりにあると思います。そこそこぶっ飛んだキャリアで得られたことを、これから社会に出て働く人たちへ少しでもフィードバックできればと思い、書いてみます。
これまでのものさしがなくなる
まず、これまでの学校という枠(中学、高校、大学)では、偏差値とか科目とか、とにかく勉強さえできれば評価される枠の中にいましたが、社会に出たらほぼ全く関係ありません。
○○大学を卒業したとか、フェルマーの最終定理を証明できるとか、それで目の前の仕事が効率よく片付いて、業績が上がるかと言ったら、そんなことはないですよね。
偏差値70の大学を出たから仕事もできるかと言うと、また別の話です。その最たる例が日本の国会議員ではないでしょうか。
偏差値の結構高い大学を出られているお方が多いですが、先進国と比べて伸び悩む経済や給料。根拠のない増税やどうでも良いことにはお金をかけ、本当に必要なところに投資されない。
給付金もただばら撒くだけで、そのお金を使ってより多くの人がより効果を得られるような施策を行おうとしない。
勉強ができるのと仕事ができるのがイコールなら、とっくに日本はもっと良くなっているはずです。
大学まで出たからこそ求められること
社会に出ると、中卒や高卒でもバリバリと仕事をこなしている人がいます。そんな中で大卒に求められる一番のもの、私は視野の広さだと思います。
例えば、道に迷ったとき地図アプリを開いて、自分の居場所を確認する際に縮尺10mとかで表示しても、自分がどこにいるのかよくわかりません。
全体の町を表示させて俯瞰することで、自分の居場所がスムーズに把握できると思います。
仕事も同じで、視野が狭いと物事、問題を正確に把握できません。
図形を見てある人は円にしか見えない。でも視点を変えることで三角形にもなるし、視野を広げると円錐になる。
こういうことが、仕事をしているとよくあります。
これまで書いた通り、数学や理科ができて評価されるのはあくまで学校の中での話で、仕事においてそれらが役に立つことはほとんどありません。(もちろん、研究職などはその限りではありませんが)
学校の勉強では何かしら必ず答がありましたが、仕事においては問題集のような決まった答はありません。毎日が変化の連続であり、予期せぬトラブルも起こります。
そういった問題に直面したときに、視野が狭いと何かをやってみる前からどうせ無理だとか、これまでの経験則で語ろうとします。
ですが視野が広いと、その問題が起きている分野外のところからも結び付けようとして、これとこれを組み合わせたらうまく行くんじゃないか、といった道筋が見えたりします。
なので、大卒というのはただ数学や理科ができますだけでなく、いろいろな講義に取り組んで、答のないような課題に取り組んでそこで得られた考え方や視野といったものが武器になると思います。
○○論とか極論を言えば、所詮机上の空論であり、現場に出てみないと分からないこと、見えてこないことはたくさんあります。
学科の縛りがないのは視野を広げるため
滋賀大は経済学部として規模の大きい大学ですが、学科間の縛りがあまりないのも大きな特長です。これまで書いてきたように、一つのコースだけの勉強だと、どうしても考え方が凝り固まってしまいます。
学科間を横断的に勉強することで、それぞれの視点から考えられるようになり、体系的に学ぶことができるのは良い点だと思います。
物事において1つだけの見方というのはありません。地球から見たら太陽は東から西に沈みますが、宇宙から見た太陽はそもそも沈みません。
いろいろな視点から見ることで、物事の全体像を把握できますし、解決策にも素早く正確にアプローチできます。
そういった意味でも知識というより、その課題を取り組むことによって得られた考え方(視野)というものを大切にしてほしいなと思います
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